発酵とは何

発酵とは、微生物が食品に働きかけて、その性質や特徴を変えることです。発酵によって、食品はおいしくなったり、栄養価が高まったり、保存ができたりします。発酵は人類の歴史と深く関わっており、世界中に多種多様な発酵食品があります。日本では、味噌や醤油、納豆などの大豆製品や日本酒、みりん、お酢、世界ではチーズやヨーグルトなどの乳製品、パンやケーキなどのパン種、ワインやビールなどのアルコール飲料などが代表的な発酵食品です。発酵食品は世界中の食文化や健康に大きく貢献しています。

発酵の仕組みを理解するためには、微生物の種類と働きを知る必要があります。発酵に関わる微生物は主に細菌と酵母とカビです。細菌は糖を乳酸や酢酸に変えることで、食品を酸っぱくして腐敗を防ぎます。乳酸菌は乳製品や野菜の発酵に使われます。酢酸菌は醋やピクルスの発酵に使われます。酵母は糖をアルコールと二酸化炭素に変えることで、食品に泡立ちや膨らみを与えます。パン種やアルコール飲料の発酵に使われます。カビ（麹菌）はタンパク質や繊維質を分解することで、食品にうま味や粘り気を与えます。味噌や醤油や納豆の発酵に使われます。

酵母は糖をアルコールと二酸化炭素に変えることで、食品に泡立ちや膨らみを与えます。また、アルコールは食品の風味や香りを豊かにします。酵母はパンやケーキなどのパン種や、ワインやビールなどのアルコール飲料の発酵に使われます。

発酵によって生まれる物質には、微生物自身やその代謝産物だけでなく、微生物が分解した有機物から生成されるものもあります。例えば、味噌や醤油などの大豆製品では、タンパク質がアミノ酸に分解されてうま味成分となります。また、納豆では、繊維質が分解されて粘り気となります。

発酵食品の効果は多岐にわたります。発酵食品は消化吸収が良くなります。これは、微生物が食品を分解して小さくすることで、人間の消化器官の働きを助けるからです。また、発酵食品は栄養価が高くなります。これは、微生物が食品からビタミンやミネラルなどの栄養素を作ったり、吸収しやすい形に変えたりするからです。さらに、発酵食品は免疫力を高めます。これは、微生物が腸内環境を整えたり、有害な細菌の増殖を抑制したり、免疫細胞の活性化を促したりするからです。