発酵と塩

発酵と塩

発酵と塩というと、漬物や味噌などの日本の伝統的な発酵食品が思い浮かびます。発酵食品には、消化・吸収を助けたり、栄養価やうまみを高めたり、保存性を向上させたりする効果があります。しかし、発酵食品には塩分が多く含まれることもあり、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。では、発酵食品に塩を入れる理由は何でしょうか?また、塩分の摂り過ぎを防ぐにはどうすればいいでしょうか?

発酵食品に塩を入れる理由は主に2つあります。1つ目は、腐敗菌やカビなどの雑菌の繁殖を抑えるためです。塩は水分を奪って雑菌の生育に必要な水分活性を低下させます。また、塩は乳酸菌などの発酵菌にとって有利な環境を作ります。乳酸菌は塩に強い種が多く、塩分濃度が高くなると他の菌よりも優勢になります。これを「菌の拮抗作用」と呼びます。2つ目は、発酵を促すためです。塩は野菜から水分や栄養素を引き出し、発酵菌のエサとなります。また、塩は野菜のペクチンやセルロースなどの繊維質を固めて歯ごたえを良くします。

しかし、塩分の摂り過ぎは高血圧や腎臓病、胃がんなどの生活習慣病のリスクを高めます。厚生労働省が定めている塩分の摂取基準は、男性で一日7.5g未満(一食あたり2.5g)、女性で一日6.5g未満(一食あたり2.2g)です。発酵食品に含まれる塩分量は製品によって異なりますが、一般的には野菜に対して3~10%程度の塩が加えられています。例えば、野沢菜漬けでは野菜500gに対して25~50gの塩が使われています。これだけで一日の摂取基準の半分以上になってしまいます。

では、発酵食品を楽しみながら塩分の摂り過ぎを防ぐにはどうすればいいでしょうか?次のような方法があります。

– 発酵食品を選ぶときは、減塩タイプや無添加タイプを選ぶ 。
– 発酵食品を使った料理では、他の調味料を控えめにする 。
– 発酵食品以外にもカリウムやカルシウムなどのミネラルを含む食品を摂取する。
– 水分や野菜などもバランスよく摂取する。

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