麹菌さん、兄弟ってこんなにいるの?
麹の世界 第8話
麹菌さん、兄弟ってこんなにいるの?
~黄麹・白麹・黒麹、それぞれの個性~

「麹菌って、一種類じゃないの?」
味噌教室でこんな質問をいただくことがあります。
「麹菌って、みんな同じ菌なんですか?」
実は違います。
私たちが「麹菌」と呼んでいる仲間には、いくつかの種類があります。
その代表が、
白麹(しろこうじ)

黄麹(きこうじ)

黒麹(くろこうじ)

です。
人間でいえば兄弟のような存在ですが、それぞれ得意な仕事も、活躍する場所も違います。
今日は、そんな麹菌兄弟をご紹介しましょう。
長男・黄麹さん
まずは、日本の発酵文化を代表する存在。
それが黄麹です。
味噌。
醤油。
甘酒。
みりん。
日本酒。
私たち麹屋が毎日使っている麹菌も、この黄麹の仲間です。
黄麹は、お米や大豆のでんぷん・たんぱく質を分解する酵素をたくさん作ります。
そのため、日本の食文化を支える「働き者」として、何百年も活躍してきました。
鈴木こうじ店でも、この黄麹菌を大切に育てています。
次男・白麹さん
続いて紹介するのは白麹です。
白麹は、焼酎づくりで活躍しています。
黄麹と違うのは、
クエン酸
をたくさん作ること。
このクエン酸のおかげで、雑菌が増えにくくなり、暖かい地域でも安心して発酵を進めることができます。
特に九州では、白麹は欠かせない存在です。
爽やかな酸味を生み出す、発酵界のアイデアマンと言えるでしょう。
三男・黒麹さん
最後は黒麹です。
沖縄の泡盛や、本格焼酎づくりでは、この黒麹が大活躍しています。
黒麹もクエン酸をたくさん作りますが、その力はさらに強力です。
暑い沖縄の気候でも、発酵をしっかり守ってくれる頼もしい存在。
黒い胞子が特徴ですが、決して「黒カビ」ではありません。
日本の伝統を支える、大切な麹菌です。
みんな違って、みんないい
黄麹。
白麹。
黒麹。
それぞれ得意な仕事は違います。
黄麹は、おいしさを育てる。
白麹は、酸を作って守る。
黒麹は、さらに強い酸で発酵を支える。
どれが一番優れているということではありません。
それぞれが、自分の個性を活かして活躍しているのです。
鈴木こうじ店は「黄麹」の専門家
私たち鈴木こうじ店では、
味噌や甘酒、塩こうじなどに使う黄麹を育てています。
35年間、毎日向き合ってきたのも黄麹です。
しかし、黄麹にも実はいろいろな個性があります。
白くふんわり育つ菌。
力強くお米の中へ入り込む菌。
香りが豊かな菌。
実は、黄麹の世界もとても奥が深いのです。
兄弟でも性格はそれぞれ
人間の兄弟も、
性格が違います。
運動が得意な人。
勉強が得意な人。
料理が好きな人。
麹菌も同じです。
それぞれ得意なことが違うからこそ、日本にはこんなにも豊かな発酵文化が生まれました。
違いがあることは、素晴らしいことなのです。
まとめ
「麹菌」とひとことで言っても、
黄麹。
白麹。
黒麹。
それぞれ違う個性を持っています。
味噌や醤油、日本酒を支える黄麹。
焼酎を支える白麹。
泡盛を支える黒麹。
それぞれの活躍があるからこそ、日本各地に個性豊かな発酵文化が育まれてきました。
🌾 米の花ちゃんのひとこと
「麹菌さんって、一人じゃなかったんだね!
黄麹さん、白麹さん、黒麹さん。
みんな違う得意技を持っているなんて、本当に兄弟みたい!
それぞれの個性があるから、日本中のおいしい発酵食品が生まれるんだね。」
次回予告
麹の世界 第9話
「同じ黄麹でも性格が違う! ~長白菌と雪こまち、鈴木こうじ店だけの麹づくり~」
黄麹の世界は、まだ終わりではありません。
実は、同じ黄麹の中にも、それぞれ違う個性を持つ菌株があります。
鈴木こうじ店では、長白菌と雪こまちという二つの菌株を組み合わせ、それぞれの長所を活かした麹づくりを続けています。
なぜ二つの菌株を使うのか。
どんな違いがあるのか。
次回は、鈴木こうじ店ならではの麹づくりの秘密をご紹介します。

