麹はどうやって作るの?
発酵のある暮らし【導入編 第4回】
麹はどうやって作るの?
~蒸したお米が麹になるまで~

こんにちは。鈴木こうじ店です。
前回の「麹って何?」では、麹が味噌や醤油、甘酒、日本酒など、日本の発酵文化を支える大切な存在であることをご紹介しました。
では、その麹はどのように作られているのでしょうか?
店頭では完成した麹を見る機会はあっても、実際に作られている様子を見る機会はあまりありません。
今回は、鈴木こうじ店で行われている麹づくりの流れをご紹介します。
麹とは「お米に麹菌を育てたもの」
麹とは、蒸したお米に麹菌を繁殖させたものです。
麹菌は目には見えない小さな微生物ですが、日本の発酵文化を支える大切な存在です。
この麹菌が作り出す酵素の働きによって、
・味噌は熟成する
・醤油は旨味を生み出す
・甘酒は甘くなる
・日本酒はお酒になる
という変化が起こります。
麹づくりとは、麹菌が元気に育つ環境を整える仕事なのです。
① お米を蒸す
麹づくりは、お米を蒸すところから始まります。
工房には大きな蒸気が立ちのぼり、蒸し上がったお米の甘い香りが広がります。
炊飯器で炊くご飯とは違い、麹用のお米は蒸して仕上げます。
蒸すことで、
「外側はしっかり」
「内側はやわらかく」
なり、麹菌が入り込みやすい状態になります。
ここから麹づくりの一日が始まります。
② お米を広げる
蒸し上がったお米はとても熱いため、そのままでは麹菌が生きられません。
そこでお米を広げて温度を下げていきます。
熱すぎても、
冷たすぎても、
麹菌は元気に育ちません。
麹菌にとって心地よい温度に整えることが大切です。
③ 麹菌をまく(種付け)
ここで登場するのが「種麹(たねこうじ)」です。
種麹とは麹菌の胞子を粉末状にしたもの。
昔から専門の種麹屋さんによって受け継がれてきました。
蒸したお米全体に均一になるよう、丁寧にまいていきます。
この工程を「種付け」と呼びます。
ここから麹菌の成長が始まります。
④ 麹菌を育てる(手入れ)
種付け後のお米は、麹菌が元気に育てるように管理されます。
麹菌は生き物です。
成長するにつれて熱を出し、自ら温度を上げていきます。
そのため、
・温度管理
・湿度管理
・空気の入れ替え
・手入れ(切り返し)
を繰り返しながら、麹菌にとって最適な環境を整えていきます。
まるで赤ちゃんを育てるような仕事です。
麹屋は昼も夜も麹の様子を見守りながら、大切に育てています。
⑤ 約3日で完成!
種付けから約68〜72時間。
お米の表面には白い菌糸が広がり、ふわふわの麹が出来上がります。
完成した麹は、
・味噌
・醤油
・甘酒
・塩こうじ
・しょうゆ麹
・日本酒
など、さまざまな発酵食品の原料になります。
私たちが普段口にしている発酵食品は、この麹から始まっているのです。
麹屋の仕事は「菌を育てる仕事」
麹屋の仕事は、お米を加工することではありません。
目に見えない麹菌と向き合いながら、
温度を見て、
香りを感じて、
手で触れて、
麹菌が元気に育つ環境を整えることです。
創業百五十余年。
鈴木こうじ店では、先人たちから受け継いできた技術を大切にしながら、今日も麹づくりを続けています。
まとめ
麹づくりは
① お米を蒸す
② お米を広げる
③ 麹菌をまく(種付け)
④ 麹菌を育てる(手入れ)
⑤ 約3日で完成
という流れで行われます。
たった一粒のお米から始まる麹づくり。
その小さな麹菌が、日本の発酵文化を支え、私たちの食卓を豊かにしてくれています。
味噌や甘酒を口にするとき、ぜひその原点である「麹」のことを思い出していただけたら嬉しいです。
次回予告
発酵のある暮らし【導入編 第5回】
麹屋さんのお仕事
~ 麹屋の一日をのぞいてみよう ~
毎日麹を作る人たちは、どんな仕事をしているのでしょう?
次回は、鈴木こうじ店の仕事を通して、麹屋の一日をご紹介します。


